非常事態宣言も解除されて街には浮かれた人たちが増えてきましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。今週もJournal Alertから面白そうと思った論文を簡単に紹介していきます。
Musso M, Fürniss H, Glauche V, Urbach H, Weiller C, Rijntjes M.
音楽の訓練によって音楽能力だけでなく、ほかの能力も向上するということがチラチラ言われていますが、この研究でも音楽家と非音楽家を対象として音楽的な音(バイオリンの音)と言語的な音(「ダ」とか「バ」とか)を聞いたときの脳活動をfMRIで測定したところ、音楽家は異なる言語/楽音の検出成績がよく、また言語処理に関わる脳部位の活動にも違いが見られたということです。
しかし、最近のメタアナリシスでは音楽訓練がほかの能力を向上するという結果は出ていないという…
Bashwiner DM, Bacon DK, Wertz CJ, Flores RA, Chohan MO, Jung RE.
作曲やアドリブ演奏などの能力は音楽的な創造性(musical creativity)と呼ばれ、そのメカニズムを調べる研究が進められていますが、この論文はボーッとしている状態、いわゆるresting stateの脳活動をMRIで測定して、そのときの脳内の各部位の機能的結合の程度と創造性の程度を測定する質問紙の成績の相関を調べたものです。小脳や下前頭回、視床といった部位間の結合に相関が見られたとのことですが、下前頭回は前にもどこかで創造性に関わると聞いたような気が。
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